プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2009年4月

2009/04/14

FOREVER THE SICKEST KIDS『アンダードッグ・アルマ・メーター』

アンダードッグ・アルマ・メーター(初回生産限定特別価格)アンダードッグ・アルマ・メーター(初回生産限定特別価格)
フォーエヴァー・ザ・シッケスト・キッズ

ユニバーサル インターナショナル 2008-07-02
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 オール・タイム・ローなどと並んで、新世代を代表するバンド。08年に発売されたデビュー作。メロディックパンクを中心に、ラップやR&B、エロレクトロ・ポップや、いま流行のダンスエモなどを加えたサウンド。そこから放たれている情動は、失敗を恐れない向こう見ず若さと、夢と情熱にあふれている。そこには迷いや悲しみのかけらもない。ひょうきんでお茶目で、とにかく楽しい。キラキラしたイノセントが魅力だ。

 

アンバーリン『ニュー・サレンダー』

New SurrenderNew Surrender
Anberlin

Universal Republic 2008-09-30
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 ついにメジャーデビューをはたした08年発売の通産4枚目。冷たいメロディーのメタリックなギターやリヴァーヴのかかったボーカルはやや後退し、音がクリアーになった印象を受ける。ここでは、インディーのときの変わらないアティチュードで、メジャーに挑戦していく意志の強さや、まっとうな道徳心で世の中に立ち向かっていく熱さがみなぎっている。今作ではポジティヴな気持ちや、明るさがテーマになっているそうだ。だからなのか、凍えるような真冬の冷たさよりも、雪解けの川のせせらぎや、新芽が芽吹く春の訪れを思い起こさせるような温かさが支配している。メジャーに移籍したからといって、ポップになったり大衆受けする音楽に変わるわけではなく、自らの信念を貫いている。熱く爽やかで好感の持てる作品だ。

アンバーリン『ロスト・ソングス』

Lost SongsLost Songs
Anberlin

TNL 2007-11-20
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 07年に発売されたB-SIDE集。ここではデモや、アコースティックナンバー、カヴァー曲が大半を占めている。彼らの特徴である暗く冷たい世界観を代表したギターアレンジはなく、明るくボーカルの長所を活かした曲が多い。全体的に見るとアルバムにもれた曲をB-SIDEに入れたというよりも、B面は好きなアレンジで、いろんなことにチャレンジし、楽しんでいる印象を受ける。なかでもボブ・ディランのカヴァー“ライク・ア・ローンリング・ストーン”は、このバンドのまじめさが伝わってきて、とても好感が持てる。

2009/04/13

ANBERLIN『CITIES』

シティーズシティーズ
アンバーリン

HOWLING BULL Marketing 2007-03-07
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 07年発売の3作目。前作のリヴァーヴのかかった透明で繊細な声のボーカルに、ヘヴィーなリフと氷の冷たいメロディーが絡む展開に変わりはない。基本路線こそ変わらないが、前作以上にボーカルとメロディーはデフォルメされ、素朴なアコースティックの曲や、聖歌隊のコーラスなどを導入し、微妙な変化がある。とくに一連の物語のように、曲の展開がくるくると変わっていく”FIN”は圧巻だ。神秘的で美しかった前作と比べると、全体的に喪失感を埋めるような切なさが支配している。それもそのはず、今作では人前で演じている自分と本当の気持ちとの狭間で葛藤している姿や、傷心に向き合った自分、孤独など、内省的な内容が多い。敬虔なクリスチャンならではの過酷な経験を人生の試練と捉えている姿勢がある。前作のような至福感に満ちた曲はないが、寂寥感に満ちた今作も最高だ。

アンバーリン『ネバー・テイク・フレンドシップ・パーソナル』

Never Take Friendship PersonalNever Take Friendship Personal
Anberlin

Tooth & Nail 2004-12-27
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 大きく飛躍を遂げた。彼らの代表作となる作品。吹雪のようなノイジーなギターに、凍てついたメロディーと、白く冷たい息のようなリヴァーヴのかかったボーカルが織りなす、雪国の過酷な冬の厳しさを想起させる殺伐としたムード。今作では、前作のヘヴィーなギターフレーズを踏襲しながらも、透明で高い声のボーカルや、メタリックで冷たいメロディーなどを取り入れ、彼ら独特の神秘的で美しい世界観を確立した。”(the symphony of)blasé”では、キラキラメロディーを取り入れ、静謐なムードが漂い、アルコール依存症について歌っている。ハードエッヂで押した”the feel good drag”では、ドラッグ好きの彼女について歌っている。歌詞は悪行に憧れる友人、恋人からの離別がテーマになっているようだ。悪の道や物質欲を否定した、敬虔なクリスチャンに基づいたモラルを全面に掲げ、クリスチャン・エモという新しいスタイルを提示した作品。

 同じクリスチャンバンドのアンダーオースやコープランド、メイと比べると、彼らは、インドのカルカッタまで足を運び、売春産業から足を洗った未成年の貧困層の女性に支援をしたり、ハイチでのボランティア活動など、慈善事業に積極的に参加し、具体的な行動をしている。音楽を通じて彼らは社会問題を提議し、悪のはびこる世の中に、強い正義感をもって活動している。華奢で繊細なイメージがあるが、強者を挫き弱者を守るという信念を持った熱いバンドなのだ。

Anberlin (アンバーリン) 『Blueprints for the Blackmarket (ブルーリンツ・フォー・ザ・ブラック・マーケット)』

Blueprints for the Black MarketBlueprints for the Black Market
Anberlin

Golf 2004-03-23
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 クリスチャンレーベルで有名なトゥース&ネイルから、03年に発売されたフロリダ出身バンドのデビュー作。ヘヴィーにうねるギターからは、LAメタルからの影響を強く感じ、まだオリジナルティーを確立していない印象を受ける。ネオサイケのキュアーや、ネオアコースティックのスミスに影響を受けたそうだが、ここではあまり感じられない。歌詞は、自分の弱さとか、葛藤や、罪との戦いについての内容が多く、全体的に教条的で、シリアスな雰囲気で満ちている。罪を犯したことや、純粋さを失ったことに対して、人生を苦行と捉えている。良心の呵責と戦っているような重苦しさが漂っている。彼らの個性になる美しいメロディーは少ないだが、デビュー作らしい荒削りさが魅力の作品だ。

2009/04/12

ROOKIE OF THE YEAR『SWWET ATTENTION』


スウィート・アテンションスウィート・アテンション
ルーキー・オブ・ザ・イヤー

インディーズ・メーカー 2008-09-24
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 エモバンドの2枚目。いまどきオーソドックスなエモを、前面に打ち出しているバンドも珍しい。ジミーイートワールド直系のキラキラギターから、ブランソンの暗みと霞のかかったメロディー、サーズ・アイ・ブラインドの歌メロやギターフレーズなど、とにかくエモへの多大なリスペクトを感じる。リヴァーヴをかけたボーカルや、近年の流行りであるデジタル、ダンスエモなどもちょっと取り入れ、自分らしい個性を出している。エモーショナルに叫ぶこともなく、漆黒の夜空にひっそりと輝く満月のようにムーディーな雰囲気がいい。

2009/04/01

Cash Cash (キャッシュ・キャッシュ) 『Take It to the Floor (テイク・イット・トゥー・ザ・フロアー)』

Take It to the FloorTake It to the Floor
Cash Cash

Universal Republic 2009-01-20
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 ダンスエモの新しい形。ここまでくると、もうテクノポップしかいいようのないサウンド。70年代のアフロファンクやハウスなどのディスコサウンドを中心に、朝露のようにキラキラ輝くシンセや、70年代のファンクギター、闘牛士のイントロなどを詰め込み、まるでおもちゃ箱のように、騒然と明るくにぎやかに鳴っている。だがボーカルの歌メロからは、メロディックパンクやエモの影響を感じる。そこには80年代のバフル期のような、ミラーボールが舞う華やかなスノッブさはない。思春期特有の輝ける未来への明るさや、夢と希望や情熱といった、初々しさにあふれている。流行に関係なく好奇心が赴くままに、無邪気に、ファンクを楽しんでいる姿が、エモと呼ばれるゆえんだろう。ファンクなどの古きよきサウンドを、現代風にアレンジする音楽センスは、デジタルエモのなかでは、頭ひとつ抜けた存在だ。

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