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face to face 『standards&practices』

スタンダード・アンド・プラクティシズ (カヴァー集)スタンダード・アンド・プラクティシズ (カヴァー集)
フェイス・トゥ・フェイス

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 99年に発表されたカヴァーアルバム。おそらくこの作品を発表した意味は、変貌を遂げた次作とのクッションにするためではないだろうか。じっさいこのアルバムも、実験的な要素が多い。

 取り上げたアーティストは、スミスやポーグスなどのイギリスのニューウェヴバンド。アメリカでは、ジョーブレイカー、フガジ、ピクシーズなどのオルタナティブ/エモーショナル・ハードコアバンドをカヴァーしている。比較的最近のバンドたちをカヴァーしているが、その理由は自分たちの好きなアーティストを選んだからだろう。どの曲もコード進行やアレンジを忠実に再建した、フェイス・トゥ・フェイスらしいアレンジは一切加えていない。

 基本的にはギターコードを中心としたバンドが多く、自分たちのルーツを見つめなおしたカヴァーといえる。だがそれ以外にも彼らに新たな発見をもたらした。とくにそれを感じるのはピクシーズのいびつでぐにゃぐにゃしたアレンジと、フガジの一定のリズムで攻撃性をあおっていくカヴァー。切なく疾走していくスタイルが特徴だったフェイス・トゥ・フェイスのサウンドスタイルとは、真逆の攻撃性で、あきらかに異なっている。いままで向かっていた感情のベクトルも違うし、アレンジも違う。このあと発表されたアルバムを聴くと、カヴァー集が彼らにあたえた影響が大きかったと理解できる。

 カヴァーアルバムということもあるが、この作品から、初期衝動というかある種の緊張感がなくなったように思える。アルバム全体に牧歌的でほのぼのした雰囲気が漂っていて、肩の力を抜いて、リラックスして作った作品のように思える。それが次の作品の変化へと繋がっていくわけだが...

 個人的に好きな曲はラモーンズのKKK。この曲はジョーイがジョニーに恋人を奪われ、失恋したことを、KKKという隠喩を使い歌っている切ない曲だ。明るいイメージの強いラモーンズのなかで、あえて失恋ソングを選んだところに、彼らのルーツとアイデンティティを感じる。本人たちは嫌だと思うが、個人的にはそんな曲を増やしてほしかった。決して悪い作品ではないが、個人的には前作のほうが好きだ。


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