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TAKING BACK SUNDAY  『LOUDER NOW』

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テイキング・バック・サンデイ

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 06年発表の3作目。最高傑作。前作までぎこちなかったメロディーとリズムのバランスが円滑なり、彼らの目指していたサウンドが完成。エモはもとより、ポリスに代表されるポストパンク、オルタナティブ、映画のイントロなどを取り入れ、ダークで甘美な都会的世界に仕上がった。

 今作では飛躍的に成長を遂げた。アレンジのヴァラエティーが格段に増え、メロディーも独特の世界観を構築。意図的に半音ずらしたハードで金属質のように固いギターからは、映画のワンシーンを切り取ったような緊迫感や、ワイルドでクールなムードが漂っている。そこにはまるで廃墟ビルのコンクリートむき出しの地下室で、繰り広げられる人間ドラマのような世界がある。そしてさらに磨きがかかったのが、2つの人格が自分に語り掛けるようなアンビバレンスなツインボーカル。その掛け合いは、まるで映画ファイトクラブのような、堅実な自分の考えに対して、リスキーで異なる意見で問いかけるもう一人の自分のようだ。

 その世界観を象徴しているのが、ニューヨークのストリート写真家のジョエル・マイヤー・ウィッツが担当したアルバム・ジャケット。ひとの顔に貼られたスピーカーは、真意を隠し演説で偽善を説いている政治家のペルソナを、表現しているそうだ。今作では自分のなかに潜む異なる2つの人格や、アンビバレンスな感情、嫌いな相手に対して笑顔で商談に応じるといったペルソナが、アルバムのテーマになっているそうだ。

 それにしても都会的でダークなサウンドはカッコいい。そこには自然の匂いが一切しない人工的なサウンドだが、人間的な熱量がハンパでない。そこにちりばめられた感情は、混沌とした思いや、息苦しいほどの切迫感、激しい衝動の攻撃性。弱々しい感情は微塵もない。金属的なサウンドと人間的なエモーショナルとのぶつかりが、熱い輝きを放っている。そんなハードボイルドのような世界を確立した今作は、最高傑作といえるだろう。

 ここまで壮大な作品に仕上がると、もはやスクリーモではない。だがほかのバンドにはないオリジナリティーがあるし、アメリカで全米アルバムチャート初登場で2位を獲得するなど、その評価は高い。彼らもダッシュボード・コンフェショナルと同じく、日本での評価が低い。こんなにいい作品なのに、そこが残念なところ。

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