プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2012年3月

2012/03/06

映画 『タクワコアズ』 サウンド・トラック

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 10年に発売された映画『タクワ・コアズ』のサウンド・トラック。そもそもタクワコアとは、03年に発表された小説、『タクワ・コアズ』に感銘を受けたムスリムの若者たちによって、立ち上げられた音楽シーンだ。そのミュージシャンたちを集めたサウンド・トラックなのだ。だから映画の雰囲気に合わせた曲を集めたというより、オムニバスに近い内容。映画に興味がない人でも、これ一枚でタクワコア・シーンのおおよそが理解できる。

 収録されているアーティストは、ザ・コミナス、ノーブル・ドロウ、Al-Thawra、The Fanaa Fish、ダイアクリティカル、Saggの6バンド。ノーブル・ドロウは初期パンクとスカ・コアを合わせたサウンドで、The・Fanaa・Fishはマイナー・スレットのようなスピード・コア。ダイアクリティカルは、シック・オブ・イット・オールのような骨太のハードコアで、<なぜ私を憎む?>と歌う歌詞が印象的。Saggは、初期パンクのような荒さのサウンド。Al-Thawraは、ドゥームやクラスト・コアにアラブのメロディーを融合したバンド。ザ・コミナスは、アメリカン・ハードコアをベースに、スカやアラブやオリエンタルティックなメロディーを合わせたサウンドだ。

 それぞれに個性があるが、どのバンドにも共通しているのは、80年代のアメリカ/イギリスのハードコアをベースにしていること。ニルヴァーナー以降の90年代のアメリカのパンクからの影響はない。やはり彼らにとってのパンクとは、外へ向かって怒りをぶつける、闘争的で攻撃的なものなのだろう。だから内面へ向かっている90年代のパンクからの影響は皆無なのだろう。

 それにしても彼らの出現で、白人の特権だったパンクが人種の壁を越えた他民族的な方向に向かっている。これはとてもすばらしいことだと思うし、もっとこういったバンドたちが増えて欲しいと思う。

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