プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2012/04/02

ダイアクリティカル

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 タクワコア(イスラム教徒のハードコア)バンドの07年に発表されたデビュー作。政治的な発言が色濃い作品。ほかのタクワコアバンドと比べると、音が軽い印象を受ける。そこにはハードコアからの影響はなく、アラブのメロディーも少ない。アメリカンパンクの野太いギターロックをベースに、カントリーやブルース、ファンクなどを取り入れている。とくにファンクからの影響は強く、ドラムはタブラを使い、トライバルな要素が強い。野太いギターサウンドのほかに、シタールを使っているため、音は軽やか。まるでスライや60年代のロックを思い起こさせるサウンドだ。

 タクワコアバンドのなかで、アラブ問題に対して積極的なメッセージを一番放っているのは彼らだろう。ポリティカルなメッセージを掲げるバンドだが、パンクの荒々しさや暴力性とも無縁。怒りや闘争よりも、疑問や、その理由の追求、理想を求めるといった内容が多い。たとえば“ウォー・クライム”では、<企業の利益追求のため、すべてのお金と生命を盗んだ。病気は心に存在する。>といった内容を歌い、 “イグノレンス”では<なぜ私を憎む?や怒りを止めろ>と歌う。先進国という強者が一方的に地下資源を搾取する現状と、アラブという出自が生む差別や虐待を、アメリカ社会に疑問を投げかけている。いうなら自分たちを理解して欲しいという気持ちが先行している。

 そこには彼らなりのやさしさを感じることができるし、弱者の虐げられた立場も痛いほど伝わってくる。彼らはただみんなが笑顔で笑えるような、明るい未来を求めているだけなのだ。そういった意味ではけっして闘争的ではないし、パンクの暴力性もなく、まじめなバンドなのだ。

 パンク・ハードコアの荒々しさを求めている人には物足りない気もするが、実験的な音がちりばめられた、いい作品だ。

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