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CEREBRAL BALLZY『Return Of The Slice』

リターン・オブ・ザ・スライスリターン・オブ・ザ・スライス
セレブラル・ボールジー

VINYL JUNKIE RECORDINGS 2011-03-09
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 11年3月に発表された9曲入りのEP。日本限定の作品。典型的な貧民層出身のバンドで、メンバーはアングロサクソン系の白人から、黒人、ヒスパニックまで在籍する多民族なる。アメリカでは「バッド・ブレインズがマイナー・スレットのカバーをしているようだ!」と称されているが、まさにそのようなサウンド。骨太のロックンロールギターをベースにした典型的なオールドスクール・ハードコアで、すべての曲が1分台。激しい怒りをサウンドに叩きつけ、瞬く間に終わっていく。ボーカルの歌い方やスピード感はバッド・ブレインズの影響が強く、硬質で引き締まったリズムからはマイナー・スレットからの影響を感じる。だがバッド・ブレインズのようなホジティヴ・メンタル・アティテュードもなければ、ストレート・エッヂというマイナー・スレットのようなストイックな思想もない。そこにあるのは、貧民層が抱えている富裕層への怒り。たとえば“インサフィシェント・フェア”では<改札を飛び越えろ!料金が足りない~それじゃどこにも行けない>と歌い、“コージング・ハボック”では、<都会で生きると腐っちまう。ドラッグ、酒、女。政治家はなにもしてくれない。どんどん信用を失っていく>と歌っている。彼らが歌っているのは、貧困層のごくありふれた日常なのだ。

 だが彼らの悲惨な境遇と怒りは、日本も他人ごとは思えない。2400万円という世界で一番高い議員報酬を貰い(イギリスは970万円)、わずか在籍30年で月48万円もらえる議員年金(厚生年金は40年支払って月17万円)、922人という世界で一番多い議員数を抱える日本の衆・参議院が、自分たちの給料や人員をカットせず(たいていの政治家は資産家やほかに事業を営んでいる人が多く、別収入を獲ている)、年間わずか130万円しかもらっていない生活保護を打ち切り、医療や年金をカットを指示する。(富裕層を擁護する片山さつきがいい例だ)格差を是正する所得税や固定資産税を増税せず、貧民層に負担のかかる消費税を増税。議員による富裕層優遇政策のおかげで、格差がアメリカ以上に進んでいるのだ。

 彼らのサウンドを聴いているとこれこそまさしくハードコアであり、日本も彼らのような悲惨な境遇を歌うバンドが出てきて欲しいと思った。


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