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フランク・ターナー 『ポエトリー・オブ・ザ・ディード』

Poetry of the Deed (Dig)Poetry of the Deed (Dig)
Frank Turner

Epitaph / Ada 2009-09-08
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 09年に発表された3作目。前作までのアコースティック・ソロとはうって変わり、バンド編成に移行。バンドでの成功という夢を追いかけるために、再スタートを切ったと言えるのは、この作品から。今作ではドラム、ベース、ヴァイオリン、マンドリン、オルガンなどのメンバーが加わり、多彩なメロディーのあるサウンドに変化した。バンド編成になったため、曲調もバラエティー豊かになった。イギリスフォーク(ダンス)のメロディーに、8ビートのハイスピードなパンクを合わせた“トライ・ディス・アット・ホーム”から、やさぐれた音、エモーショナルでやさぐれた荒々しいアコースティックの“ダンズ・ソング”。シンプルなアコースティックの“トライ・ディス・アット・ホーム”、ピアノの美しいバラードの“フェスフル・サン”など、いろいろな曲が増え、じつに多彩。さわやかで情熱的な熱さを感じる。

 歌詞もこれまた熱い。“トライ・ディス・アット・ホーム”では、パンクロックが存在する真の意味は、短髪で細いジーンズを穿き、皮肉を言うことではなく―メディアが作り上げたイメージを棄て―自分を表現するものだ。パンクとは自分たちの生き方だ。それを貫けばバカ丸出しの英国のカントリー歌手よりはるかにカッコいいと、歌っている。また“ザ・ロード”では、束縛されることや一ヶ所にとどまることを怖れ、ライブで世界中を旅して、いろんな国の人との出会や衝動を追い求めて地平線を目指していると歌っている。相変わらず攻撃的で皮肉に満ちた毒を吐いているが、今作では情熱や衝動的な行動という内容の歌詞が目立つ。その歌詞がサウンドに有機的に結びついている。音楽を一途にやる情熱と衝動。それがアルバム全体に感じることのできる熱さの理由なのだ。そういった衝動を感じることができる意味でも、今作が再びスタートラインにたった作品といえるだろう。

 その皮肉と毒に満ちた歌詞もさることながら、イギリス伝統音楽にパンクサウンドに流し込んだ。アメリカのバンドにはないサウンドでオリジナルティーがあるし、まさにフォーク・パンクという出来だ。ただ全体的にバラードが多い印象を受ける。個人的には“トライ・ディス・アット・ホーム”や“ダンズ・ソング”みたいなパンクチューンの曲を増やして欲しかった。その2曲は、ロックの猥雑さもあり、勢いもあるし、熱い。なによりカッコいいし、パンクしている。

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