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dredg 『ライトモチーフ』

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Dredg

Interscope Records 2001-09-11
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 98年に発表されたカルフォルニア出身のインディー・ロックバンドのデビュー作。ひさびさに自分の音楽知識をなさを再認識させられるような、独特なサウンドを展開しているバンドにあった。サウンドのベースになっているのは、初期レモンヘッズやダイナソーjrに代表されるノイジーなオルタナティヴ・ロック。そこに軽やかで浮遊感のあるポストロックや、エモーショナル・ハードコア、サイケや東欧調のメロディーに、ジャズの要素を加え、奇抜なメロディーで、彼らならではのオリジナルティー溢れるサウンドを展開している。

 アメリカではエクスペリメンタルロック、アートロック、プログレなどと呼ばれ、よくTOOLが引き合いにだされている。だがそのサウンドは180度異なる。まず暗く重いメタルの要素が彼らにはない。共通項といえば、知的で幾何学的な難解さをもつアートな世界観くらいか。 彼らのまたジョー・オブ・アークのように、少数派しか受け入れずらいサウンドを展開している。

 このアルバムは、イントロと歌ものが交互に続き、コンセプトアルバムらしく、曲の特定の部分と、人物、場所などを関連付け、ミュージカル風に仕上げているらしい。たとえば、舞い散る桜のような儚いメロディーの“クロスウィンドウ・メヌエット”から、孤独で静謐なアコースティックの“トラバース・スルー・ザ・アークティック・コールド・ウィー・サーチ・フォー・ザ・スピリット・オブ・ユタ”と続いていく流れでは、北国の過酷な冬をフィーチャーしたイントロを奏で、<北極の終わりまで横断する。私たちはユタの精神を探索するために>という言葉がキーワードになっている。シャーマンが呪文のような触れたら崩れてしまいそうな儚く弱々しいコーラスと、寂しさと孤独に満ちた繊細で軽やかなギターメロディーがある。そこでは大自然という偉大な力の前で感じる人間の脆さや弱さと、祈りや精神世界という神秘な力をサウンドで表現している。それが彼ら独特のサウンドの正体なのだ。


 独特な音のメロディーを、ロックのなかに実験的に取り入れ、サウンドの奇抜さや、不細工のなかに美を見出そうとしている。けっして一般受けするサウンドではないが、個人的には、ひさびさに〇〇っぽいと感じない、彼らしか奏でていない独特なサウンドを展開しているバンドに出会った。そういった意味でも評価できるし、これはすばらしい作品だ。

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