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dredg 『ライヴ・アット・ザ・フィルモア』

Live at the FillmoreLive at the Fillmore
Dredg

Interscope Records 2006-11-07
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 06年に発表されたライヴ・アルバム。この作品を発表した理由は、ひとつの区切りとなる時期を迎えていたからだろう。前年に発表した『キャッチー・ウィザウト・アームス』は、抽象的でビューティフルなサウンドという、彼らの個性を確立した作品だった。だからいい状態のライヴを、作品として残したかったのだろう。会場はサンフランシスコにあるフィルモアというライヴ・ハウスで行われた。

 フィルモアといえば、フラワー・ムーブメントを育て、モンタレーやウッドストックなどのロック・イベントを裏で支え、ライブ・エイドやアムネスティー・ツアーなどのチャリティー・イベントを実践したロック界を代表するプロモーター、ビル・グレアムによって創設されたライヴ・ハウス。その会場を選んだ理由は、おそらく彼らもイノベイターとしての意識が強かったからではないか。そこには新宿ロフトの伝統に敬意を払っている日本の有名バンドのような、演奏できることへの誇りを感じる。適度な緊張感を感じるし、自然と力の入ったいいライヴを展開している。

 アルバムでは物語性とコンセプトにこだわっている彼らだが、このライヴでは、ビューティフルなサウンドへの徹底的なこだわりを見せている。3枚のアルバムからバランスよく選曲され、綺麗にひとつにまとめられている。ここでは1stや2ndのころのゴツゴツとした歪さや店舗を無視した強引な部分は、大幅にアレンジの変更がなされている。たとえば“Whoa is me”では、ホーンを使い、上品なジャズナンバーに変更され、“catch without arms”のラストを飾る“マショトーリカ”のアウトロ(the ornament)が、ボーカル付きにアレンジされている。“90アワ・スリープ”では、スピードが増していく終わり方。またここでしか聴けない新曲"The Warbler"や、『キャッチ・ウィザウト・アームス』のB-side、 "ストーン・バイ・ストーン"なども収録されている。サイケ調の不穏な空気からは始まり、同じ夢を繰り返し見ているような奇妙な中盤、そして夜明けのようなトランシーな曲で幕が閉じていく展開で終わっていく流れもいい。

 そうこの作品は、未発表曲を収録したレアな作品でもあると同時に、手直しされ磨かれた曲たちや、適度に漂っているいい意味での緊張感から、メンバー、一人ひとりが同じ方向で情熱が交わっている奇跡の瞬間を収録したライヴ盤といえるだろう。彼らの一番言い状態を収録したベスト盤といえる重要な作品だ。

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