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ファーザー・シームス・フォーエバー 『ファイナル・カーテン』

Final Curtain (W/Dvd)Final Curtain (W/Dvd)
Further Seems Forever

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 07年に発表されたDVD付きのライヴ・アルバム。その内容は、6月17日にアトランタで行われたラストライヴと、『ハイド・ナッシング』のボーナストラック3曲に、未発表曲のビョークのカヴァー、クリス・ギャラハーがボーカルのデビューEPから3曲、未発表曲が1曲、計20曲が収録したCDに、ラスト・ライヴの映像と、解散の真相に迫ったインタビュー等が収録されたDVDの計2枚組の作品だ。

 レア曲を収録したCDもマニアにはたまらない作品だが、注目すべきはDVDだ。とくにラスト・ライヴでは、爽やかなほど、やりきった感が漂っている。過去 3枚のアルバムからいい曲だけを選曲し、演奏。そこに後悔や解散を悔やむ気持ちはまったく漂っていない。クリスがボーカルの曲も、ジェイソンが歌った曲も、ジョンのボーカルが違和感なくはまっていた。彼のボーカルがファーザ・シームス・フォーエバーというバンドにもたらした功績は、安定した活動だったのだろう。このライヴDVDを観ると、メンバー同士、ギスギスした部分がまったくないのが理解できる。まるでジョンが中心のバンドのように思えてしまうほど、この4人の演奏はまとまっている。基本的にはジョンを除いた楽器メンバーが中心のバンドだ。だがジョンが脱退を表明したいま、音楽に対する情熱的も失ってしまったため、解散を選んだのだろう。それほどジョンの功績が大きかったことが理解できる。

 かたやインタビューのほうでは解散の真相を語っている。家を留守にする長い生活に疲れ、家族と過ごす生活を選んだメンバーもいれば、<遣り残したことは何もない。いまは晴れ晴れとした気持ちだ>と、答えたメンバーもいた。総じていえるのは、メンバー全員が年をとりすぎていたし、これ以上、ブレイクすることがないと思っていたに違いない。それに妥協してポップ・ミュージックを作りたくないという気持ちもあった。良質なロックを作り続ける情熱も薄れたのかもしれない。はたまた長いツアー生活にも疲れ果てた。それらの要素が複雑に絡まって解散という選択に行き着いたのだろう。倦怠感と諦めからくる晴れ晴れとした気持ちがメンバー全体から漂っている。そんな自分たちのありのままの気持ちが、このDVDには収録されている。メンバーにとって、この作品は卒業アルバムのような作品といえるだろう。音楽的な大成功を収めることの出来なかったインディー・バンドのひとつの結末。バンドの晩期を赤裸々に告白した作品だ。

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