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ダウン・バイ・ロウ 『ウインドウォードタイドサンドウェイウォードセイルズ』

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Down By Law

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 03年に発表された7作目。じつに4年ぶりとなる作品。これがよく出来ている。『オール・スクラッチド・アップ!』以来の快作といえるのではないか。爆発のようなスピードで勢いよく駆け抜けるドラム。捲くし立てるように歌うハイテンションなボーカル。若干テクニカルの要素が加わったメロディーギター。熱血で気合の入ったダウン・バイ・ロウが戻ってきた。

 今作ではカラッと爽やかなメロディック・パンクから、初期パンクをベースにしたサウンドに変わった。とくにギターは扇情的で、攻撃性を重視している。“プット・ザ・ブーツ・イン”では、ガッツを叩きつけるような男くさいOiコーラスが印象的で、“コンヴァルテッド”は、ハードコアパンクな曲で、うねりをあげるギターと、荒々しい攻撃性が魅力だ。そのほかにもAC/DCのカヴァーの“アイ・ワナ・ビー・イン”やモッズのようなメロディーの“キックダウン”など、変わった曲もある。個人的にすきな曲は、“8th And Main”。牧歌的なアメリカンロックをベースにした曲で、かすれた歌声で、別れの切なさを歌う。胸にしみる曲だ。

 歌詞は、一部ジョー・ストラマーへのオマージュがあるようだが、人生訓や政治問題について歌った内容は、基本的には変わっていない。そのクラッシュへのオマージュは“キャピタル・ライオット”。そこでは、“ホワイト・ライオット”からのインスピレーションを受けている。白人による暴動を、国会議事堂で可決される富裕層を優遇する法律への暴動に置き換え、歌っている。人生訓を歌った内容は<我々が選んだ方法の人生を生きるつもり、我々は負けるために生まれてきている場合でも>と、自らの生き様を歌った“プット・ザ・ブーツ・イン”。“スーパーヒーロー・ウオンテッド”では、スーパーヒーローに憧れ、裏の顔を知り、失望しながらも、心の中で次世代のスターを求めている。誰もが経験する曲君を歌っている。そして“ジョニー・ロー”では、正義を振りかざし横暴な態度の警官への批判を述べている。生きることへの意味や反社会的な内容は相変わらすパンクしている。パンクとは生き方というデイブ節は健在なのだ。

 今作は4年ぶりに発表された作品だ。この長い歳月が、もう一度バンドを見つめなおす時間に当てられていたのだろう。ここには前作のような自分の趣味だけ突っ走るようなエゴが感じられない。ファンの望むようなファストで、ストレスを発散するような、スカッとするパンクナンバーがある。歌詞にもどこか失望や挫折の経験が漂っていて、一皮向けた印象を受ける。相手の気持ちを考えるようになった印象を受ける。それでいて自分の伝えたいことや、やりたいサウンド、ファンの求めているものとのバランスが取れている。ただの原点回帰ではなく、しっかりと成長の後が感じられる作品なのだ。


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