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トイッチング・タングス  『スリープ・ゼアピー』

Sleep TherapySleep Therapy
Twitching Tongues

I Scream Records 2012-03-25
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 11年発表のデビューアルバム。前作のマッド・ボールやリヴィング・ウィットネスからの影響から抜け出し、オリジナルティーを確立した作品。EPから“インサイン・アンド・インヒューマニー”と“ヴァレンタリー・コンファインメント”の2曲が収録され、現時点で彼らの音楽性が集約された作品だ。

 これがじつにいい作品に仕上がっている。基本的には、グルーヴ感あふれるスローテンポのハードコアで、メタルからの影響が強い重厚なリフを中心としたヘヴィーなサウンド。そこに絶望に満ちた静謐を緊迫感でつむぐアコースティックギターや、ブラストビート、土の匂いのする猥雑なカウボーイ・ロックや、コーンの影響を感じる精神が病んだ歌い方などを取り入れ、バラエティー豊かな作品に仕上がっている。そしてこのアルバムのハイライトというべきは、8曲目の“アーム・イン・アルマゲドン・パート1”。ここでは、厳かなピアノの不気味な静けさのサウンドを展開。そこにはまるで死者の無念を沈めるうな深い内省の鎮魂歌がある。歌詞の内容は、死ぬことへの願望と祈り。そこにはすべてをあきらめ、絶望し、死にたいと願っている姿があるのだ。

 死神が眠る美女の後ろに立つジャケットと、睡眠治療と名付けられたタイトルが示す通り、今作のテーマは、死に対する切望と、眠る事によって意識を失い仮死状態になることへの憧れ。そこには死に憧れる病んだ精神世界があるのだ。

 前作の死神という世界観をベースに、そこからさらに死生観を掘り下げている。すばらしい作品である事に間違いはないが、だがここまでくるともはやハードコアではない。その理由は、ハードコア特有の攻撃性や、闘争心がないからだ。これは死の匂いが漂う新型のヘヴィーロックといえるだろう。

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