プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2014/06/08

Chiodos  『Illuminaudio』

イルミノーディオイルミノーディオ
チオドス

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 ボーカルがグレイグ・オーウェンからにブランドン・ボルマーに代わり発表された10年発表の3作目。今作を発表する前、まずグレイグ・オーウェンが脱退した経緯から説明しよう。話は07年にさかのぼる。この年の9月にバンドは2作目となる『ボーン・パレス・バレー』を発表した。その作品が世間の評価が高く、全米アルバムチャート初登場5位を記録し、全米最大のパンクの祭典、ワープド・ツアーで、見事メインステージ公演を果たした。

 その作品とバンドの評価が高まり、バンドの絶頂期を向かえていくのとは裏腹に、08年7月24日にグレイグはオーバードースで倒れた。以前から彼は双極性障害や不安発作に悩まされていたという。そして08年の10月には、2ndアルバムに新曲をプラスした『ボーン・パレス・バレー:グランド・コーダ』をメジャーレーベルのワーナー・ブラザーズから再リリースされた。セールスも20万枚を超え、世間の評価は高まる一方だった。そんな矢先に起きた事故だったのだ。

 そして09年5月にはドラムを担当していたデリック・フロストが、バンドとの不和を理由に、脱退を表明。結局グレイグも、オーバードスが原因で09年9月24日に脱退させられた。後に自身のホームページで「動揺し怒りが込み上げている。本当にショック」。と語っており、本人の意思とは関係なく、強制的に脱退させられたようだ。

 そして新ボーカルであるブランドンが加入し、10年10月5日に、3作目となる今作が発表。そんな紆余曲折を経て発表された今作は、もはやスクリーモとは呼べないくらい変化している。とくにメロディーは、優雅で上品なピアノは薄まり、スペイシーなデジタル音と、バヴハウスやコーンなどのホラーやゴズ的な要素を感じるメロディーに変化している。そしてギターのリフには重さが加わり、さらにノイジーでヘヴィーに激しさが増している。前作の上流階級の華麗な世界観に、ゴズやホラーなどの新しい要素を加え、改良し、幻想的で薄暗い世界観に変化させた。新しい形のスクリーモを提示したのだ。

 だがここまで変化すると、彼ら本来の良さが失われている。とくに変化を感じるのは、やはりブランドンのボーカルスタイルだ。甘く滑らかで美しい歌声のボーカリストだが、そこには意志の強さを感じる。先ほど述べたようにグレイグは双極性障害や不安発作に悩まされていたとように、神経質で精神的に脆く、不安定なボーカルだった。だがその不安定で精神の限界のふちをギリギリで渡るかのような危うさと脆さというチオドス特有の世界観を構築し、チオドスの魅力になっていたのだ。ブラントンの意志の強さを感じる歌声が、チオドス独特の繊細な世界観を壊してしまったのだ。いうならボーカルのリアリティーが、虚飾に満ちた世界に変えてしまったのだ。

 サウンドとしてはよくできている作品だ。ただボーカルの交代が裏目に出てしまっている。それが残念に感じた。

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