プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2014/06/13

Chiodos (チオドス)  『Devil (デビル)』

DevilDevil
Chiodos

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 14年に発表された4作目。じつに4年ぶりとなる作品。これがすばらしい作品に仕上がっている。今作を発表する2年前の12年3月27日にボーカルのボルマーとドラムのウェインが脱退した。そしてオリジナルメンバーであったギタリストのジェイソン・ヘオルも脱退。普通、メンバーの脱退とは、最悪な出来事のひとつだ。だがチオドスの場合、それがいい方向に進んだ。

 直後の4月に、前ボーカルであるクレイグが正式に復帰。グレイグが誘う形で5月にこれまた前ドラムのデリックも復帰した。彼らが復帰した理由は、おそらく確執があったメンバーの脱退が大きく関係しているのだろう。それと新メンバーで活動したチオドスがうまく軌道に乗ることができなかったから、バンドの中心メンバーであるブラッドリー・ベルが彼らの復帰を望んだのだろう。そして新ギタリストの元フォール・オブ・テロリーのトーマス・エラクを迎えた。

 そんな紆余曲折を経て発表された今作は、まさに新しく生まれ変わったという言葉がフィットする内容の作品に仕上がっている。ベースにあるのは、前々作のクラッシックの上品で華麗なメロディーと、地獄の叫び声ようなスクリーム。上流階級の優雅で華やかな世界観自体は前々作の要素を復活させている。今作ではそこに希望に満ち溢れたメロディックパンクや、不気味なバラード、アコースティックな曲など、新しい要素の曲が加わった。そしてなにより今までとの違いは、1曲にいろいろな要素を詰め込んだカオティックな展開にある。

 たとえば、“オレ・イズ・フィッシュリップス・デッド・ナウ”では、ブラストビートのドラムと凶暴なスクリームで始まり、リヴァーヴする反響ギター、ハンマーのようなギターのリフ、ナイーヴなピアノがカオティックに入り混じっている展開に変化していく。また“ホワイ・ザ・マンスターズ・マター”では、悲劇のようなドラマティックなメロディーで始まり、フォール・オブ・テロリーのようなカオティックなギターのリフへと移行していく。そして7では不気味で恐怖を感じる中世の館のようなメロディーで始まり、そこから極楽浄土へ導かれるハープの音色に変わっていく。そこには、上流階級の優雅で華やかな世界観をベースにしながらも、クラシックなピアノ、暴虐なスクリーム、透明で力強く伸びのあるメロディックな歌声、ブラストビート、リヴァーヴ・ギターがめまぐるしく変化していくカオティックな展開がある。メンバーそれぞれの特徴が1曲に反映されながらも、綺麗に整えまとめられているのだ。その理由は曲の作り方を変えたからだという。以前は特定のメンバーが一人で作曲をしていたそうだが、今作ではグレイグがアコースティック・ギターで曲の輪郭を作ってきたそうだ。その骨組みにほかのメンバーのアイデアを加えた。メンバーそれそれがスタイルの音楽を聴いているから、いろんなタイプの曲ができたという。それがバラエティーの富んだサウンドの理由なのだ。

 ボーカルのグレイグが復帰したが、もはや脆さや危うさはなくなり、芯の強さを感じるタフさに変化してしまった。そういった意味では、脆さや危うさといった初期衝動は失われてしまった。たしかに初期衝動は失われてしまったが、代わりに団結力という新しい魅力を獲得した。その団結力が、お互いの長所を引き出し、チオドスというバンドを新しく生まれ変わらせた。そこには全メンバーが、純粋に自分の好きな音楽を楽しんでいる熱情を感じ取ることができる。ある意味、全盛期以上の輝きを放ち、熱く情熱的な姿勢を感じるのだ。個人的には前々作と同じくらい好きな作品だ。

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