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GREEN DAY 『Uno!』

ウノ!ウノ!
グリーン・デイ

ワーナーミュージック・ジャパン 2012-09-25
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 12年9月に発表された9作目。12年の2月にレコーディングされた3部作の第1作目。スペイン語で“1”という意味の『ウノ』というタイトルが付けられた今作は、原点回帰のメロディック・パンクを展開している。

 グリーンデイというバンドは大雑把に分けて3期からなる。第1期はメロディック・パンク期。ここに該当するのは、インディーでのデビュー作、『39/スムーズ』、『カープランク』、『ドゥーキー』、『インソムニアック』、『ニムロッド』の5枚。全作とも感情の方向性とは違え、総じてコードギターを中心としたパンキッシュなサウンドを展開している。そして第2期は、パンクギターを止めアコースティック・ギターを中心に、カントリーやバラードを展開した『ウォーニング』、ザ・フーやキンクスのロック・オペラをパンク風にアレンジしパンク・オペラという新たな個性を確立した『アメリカン・イデオット』と『21世紀のブレイクダウン』が第3期にあたる。

 これらの作品と比べてみると、シンプルなメロディック・パンクを基調としている今作は、第1期を意識した曲作りをしたことに間違いない。だがいままでグリーンデイは、他者とのコミニケーション不全や孤独や疎外感にあふれた『39/スムーズ』、『カープランク』や、未来への絶望を暗い内省に叩け付けた『ドゥーキー』、怒りと皮肉に満ちた『インソムニアック』と、自省的でありながらもカラッと開き直った明るさの『ニムロッド』と、1作品ごとに異なる感情を表現しながらも、ネガティヴな感情を追求していた。

 今作では、8ビートのシンプルなメロディック・パンクで、ラモーンズをさらにポップに明るくしたサウンドを展開している。インタビューで発言していたとおり、過去を振り返り原点回帰したサウンドを、現在の感性を加え、蘇らせている。その現在の感性とは、恋愛のドキドキ感や、箸が転げ落ちただけで楽しいと感じる胸が高鳴る想い。誰もが一度は経験するすばらしき楽しい日々の衝動だ。それが彼らのリアルタイムで表現したい感情なのだ。

 前作の『21世紀のブレイクダウン』は、彼らの魅力であるパンキッシュなサウンドが失われていて、正直、好きな作品ではなかった。ここでは本来彼らの魅力であるシンプルでパンキッシュなサウンドの彼らが戻ってきている。前作の頭でっかちな難解さも取り払われていて、シンプルに人生を楽しもうぜ、という姿勢が貫かれている。それが今作のすばらしいさなのだ。

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