Unbroken (アンブロークン) 『Life. Love. Regret. (ライフ,ラブ,リグレット.)』
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94年に発表された2作目。彼らの最高傑作。08年にはオルタナティヴ・プレス誌が“パンクのスタイルを作った23のバンド”のひとつに挙げ、アメリカのアマゾン・サイトでは、ハードコアのトップ5に入る最高の作品というレビューもあるほど、アメリカではかなり評価の高い作品なのだ。
前作はヘルメットの影響が抜けきれなかったが、今作では確実にオリジナルティーあふれるサウンドを展開している。スローテンポでグルーヴィーなハードコア路線をベースにしつつも、最先端の音楽を貪欲に取り入れ、さらにパワーアップした作品に仕上がっている。“D4”では、エコー&バニーメンの陰りのあるギターを取り入れ、ヘヴィーなギターのリフとメロディーの調和の取れたサウンドを展開し、“イン・ザ・ネイム・プログレッション”では急にスピードが上がる展開で、“カーテン”では、ソニック・ユースのような5分を超えるノイズ・ギターのソロを曲の最後の部分に加えている。ニュースクールなハードコアなのだが、そこにいろいろな要素を加えたことによって、バラエティー豊かなサウンドを展開しているのだ。
そして激しく荒々しいサウンドのなかにどこか冷静さを感じることができるのは、死に対して冷静に分析した歌詞。“レクーズ”では、<うつ病の恐怖の影を通して、私を(闇の世界に)引っ張る~私はうつ病の恐怖そのものを恐れるより、孤独を恐れる>という内容で、そこには冷静さのなかに恐怖と激情が入り混じった感情があり、内省的でシリアスな雰囲気を作り出しているのだ。
当時最先端だったサウンドと、緊迫感に満ちた雰囲気が、この作品が最高傑作と呼ばれる理由なのだ。たしかにあとにニュースクール・ハードコアの代表格となるアースクライシスやマッドボールと比べると、アンブロークン自体が過小評価されているのも事実であろう。ニュースクール・ハードコアの先駆者的サウンドを展開していたのにもかかわらずだ。なおこの作品を最後にバンドは解散。そして3年後にギターのエリック・アレンは自殺したそうだ。
現在、2014年の11月28日に、ブラック・フライデー/レコード・ストアー・ディに1000枚限定で、LP盤が発売された。
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