プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2015/02/16

鉄アレイ   『Ⅳ』

IVIV
鉄アレイ

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 じつに16年振りとなる3作目のアルバム。30周年を記念して発表された作品だが、これがすごくいい。個人的に彼らの好きな作品は、デビュー作の『鉄アレイ』。なかでも“自由のために”とい う曲が大好きだった。<期待を打ち砕かれ、希望を打ち砕かれ、何も恐れるな、何も怖がるな、狂った時の中に巻き込まれようとしても、必ず立ち上がり、顔を上げろ!>と叫ぶ歌詞と、すさまじいスピードと重く野太い3コードのギターサウンドからは、やるかやられるかの緊張感が張り詰めた緊迫した空気を感じ取ることができた。そこには絶望を恐れる自分との闘いがあり、弱い自分を鼓舞し立ち向かっていく尋常でないほどの緊迫が、たまらなく好きだった。

 そんな尋常でないほどの緊迫感に満ちた『鉄アレイ』のころと比べると、今作ではギターは複雑なアレンジに変化し、ドラムはスピードを落としたテクニカルな8ビートに変わった。スピード感こそ落ちたが、荒々しいギターサウンドを強靭なリズムに叩きつけ、簡潔な言葉で、怒りを吐き出す怒声のボーカルが際立っている。戦う対象が、自分の内面から外の世界に変わったのが今作の特徴だ。とくに印象的なのは歌詞だ。たとえば“ACCELERATION-加速-”では、<正義が正義と交錯する時代~加速する痛み、加速する怒り>と歌い、“NEW CLEAR WATER”では、<命削る最下層 光り輝くわが国は得意のトカゲのシッポ切り、人を人とも思っちゃいない>と歌っている。文学的で哲学的な歌詞だが、政権批判ともとれる内容だ。とある作家が、正義のための正義の行動は、巨大な悪に変わると言っていたが、まさにここで歌われている内容はそれに近いのではないか。

 歌詞から勝手に推測するぼくの解釈では、その顕著な例が9.11だ。首謀者たちは、アラブ社会とアラーの神の正義のためと言って若者を洗脳し、死後に天国へいけると諭し、テロを決行させる。正義のために3025人もの罪のない命を奪っていく。まさに正義が悪に変わる瞬間なのだ。だがいつの時代も支配者たちはのうのうと生き、いつも犠牲となるのは最下層の人々だ。安倍政権が掲げる正義にもこれに似ている。人質を取られているのに平気で敵対国に支援を表明し、一般市民である日本人の命を平気で奪っていく。そしてテロ国家が日本を攻撃対象にしていると言う理由で、憲法を改正しようとしている。軍隊を保持し、他国へ攻める国づくりをしようとしている。そして支配者層に殺されるのは、最下層にいる一般市民の日本人なのだ。

 まさに正義の名のもと行われる悪に満ちた行為なのだ。死にたくなかったら、現政権を否定し、平和を望む政権へ政治を変えろと、訴えているように思えた。政権批判をしていた社会派のパンクバンドたちが、情報規制する安倍政権によってダンマリを決め込んでいる昨今、彼らは巨大な敵に立ち向かっているのだ。本当の意味での平和を維持するため、権力に屈指ず戦い続ける姿勢があるのだ。そんな不屈のハードコア精神が、すばらしいと感じる作品なのだ。

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