プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2015年3月

2015/03/23

Slapshot (スラップショット) 『Slapshot 』


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Slapshot

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 85年から活動しストレートエッヂとして知られるボストンのハードコアバンドの7作目。EPを含めるとじつに9作目となる作品だが、初期のころから一貫してG.B.H系のオールドスクール・ハードコアにOiをプラスした独自なサウンドを展開している。

 今作も重く厚みのあるギターコードに、スピーディーで間段なく突き抜けていくオールドスクールなハードコアに変わりはない。気合の入ったボーカル、チョークの怒声は相変わらず健在。パワフルで熱気にあふれたサウンドを展開している。あえて変化した部分を上げるのなら、演奏技術が精密になった部分と、ギターソロなどを取り入れた部分か。あと名曲“ファック・ニューヨーク”のような、ニューヨークの良いところや悪いところの流行の最先端や憧れなどのすべてにファックをつけ、全否定する毒に満ちた歌詞がないのが、ちょっと残念な部分だ。

 だが彼らの魅力であるストレート・エッヂながらもイギーポップばりの破天荒なアティチュードはアティチュードは健在だ。気合の入ったエネルギッシュに満ちながらも、シリアスさはまったくない。歌詞も短絡的な批判や悪口に満ち、毒々しい内容がらも、そこには怒りや憎しみを通り越し、滑稽な笑いとユーモアに満ち溢れている。その魅力は今作でも失われていない。相変わらず好感の持てるバンドだ。



2015/03/03

Overcast (オーバーキャスト)   『Only Death Is Smiling 1991-1998 (オンリー・デス・イズ・スマイリング:1991-1998) 』


Only Death Is SmilingOnly Death Is Smiling
Overcast

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 アフターショックと並びメタルコアの基礎を作った伝説のバンドの、91年から98年にかけてのすべての作品を収録した3枚組みのコンピレーション・アルバム。メンバーは現シャドウズ・フォールのボーカル、ブライアン・フェアと、現キルスイッチ・エンゲージのギターマイク・D’アントニオを中心に、メタルコアのレジェントで構成されている。

 その内容はディスク1には、1曲目から8曲目までは、94年に発表されたデビュー・アルバム、『エクスぺテイション・ディヌッション』から全曲と、9曲目から12曲目までは92年に発表されたデビューEP『ブリード・イントゥ・ワン』。14と15曲目は95年の2作目のEP、『スティアリング・ザ・キラー』から全曲。ディスク2の1曲目から9曲目までは97年に発表された2作目『ファイト・アンビション・トゥ・キル』全曲と、10曲目は96年に発表されたariseとのスプリットから。11、12曲目は96年に発表されたEP、『ベキニング・フォー・インディファレンス』、13から16曲目は『エクスぺテイション・ディヌッション』に収録された曲のデモヴァージョン。そしてディスク3の1から8はライヴ曲で、9から11曲目までは93年に発表されたデモ・シングル。12と13曲目は未発表曲で、14曲目がブラック・サバスのトリビュートから。91年か98年まで活動した際に発表された曲がすべて網羅されている内容だ。

 オーバーキャストのデビューEPが発表されたのが92年で、デビューアルバムが94年。彼らの活動期間はちょうどアース・クライシスとかぶる。当時のヘルメットのようなスローテンポで金属質で重いリフを中心としたサウンドのメタルが主流で、アース・クライシス系のニュースクール・ハードコアもそこから発展した。オーバー・キャストも同様でそのサウンドからは、ヘルメットの影響が色濃く感じる。だがアースクライシスとの違いは、メタルパートをさらに貪欲に取り入れた部分だろう。ナパームデスばりのブラストビートと絶叫、メタリカのような叙情的なメロディー。スピード感こそまったくないが、グラインドコアやデスメタル、スラッシュメタル(叙情的な部分だけ)などのいろんなメタルを貪欲に取り入れたサウンドなのだ。たとえるなら、アースクライシスのニュースクール・ハードコアに、メタルのエッセンスを5倍近くさらに追加したサウンドといえるだろう。

 ニュースクールをさらにメタル化したサウンドで、メタルコアの先駆者として当時としては新しいサウンドであったことは事実だ。だが彼らがブレイクしなかった理由は、ヘルメットという先駆者からの影響が抜けきれなかったからだ。そのあと結成されるキルスイッチ・エンゲージやシャドウズ・フォールでは、もはやヘルメットからの影響がまったくなくなっている。デスメタルを含むメタル7割でハードコア3割の折衷スタイルで、スピーディーなメタルコアは、当時としては画期的なサウンドであった。まさに新しい時代のサウンドであったのだ。

 そういった意味ではオーバーキャストはメタルコアの先駆者であるが、時代そのものを変えるサウンドではなかった。ちょうどニュースクールとメタルコアをつなぐ中間的な役割をしたバンドなのだ。だがメタルコアの進化を知るうえでは、このうえなく重要な作品であることはまちがいない。


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