プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2015年11月

2015/11/16

Siege (シージ) 『Drop Dead (ドロップ・デッド)』


Drop DeadDrop Dead
Siege

Deranged Records 2008-05-06
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 ボストン・ハードコア・シーンで一際異質な個性を放っていたシージ。彼らが唯一発表した作品『ドロップ・デッド』の発売30周年を記念して、4曲のボーナストラックが収録され再発された。

 その内容は、84年に唯一発売されたデモ音源『ドロップ・デッド』から6曲と、ハードコアのコンピレーションアルバム『クリーンス・ザ・バクテリア』から3曲、今回新たに発掘された未発表曲が4曲、計13曲が収録されている。

 シージの出自であるボストン・ハードコア・シーンとは、カオティック・ハードコアの代表格であるコンヴァージや、体育会系的なスポーティーなノリをハードコアに取り込んだDYSなど、ハードコア界のなかでもの突然変異を遂げたバンドを多く輩出したシーンだ。その例に漏れずシージも個性的なハードコア・サウンドを展開していた。

 そのサウンドは、ジャームスの退廃感に満ちたスローテンポなサウンドに、SODのマシンガンのような高速スピードのドラムと1分台のファストな曲と、ノイジーなディストーションを加え、緊迫した空気を孕んだバイオレンスに発展させた。オリジナルティーあふれるハードコア・サウンドなのだ。

 曲調や展開、歌いまわしこそ、ジャームスやSODなどのバンドから色濃い影響を感じることが出来るが、ミサイルのシャワーのようにとことん歪んだ分厚いノイズのギターや、苦悶の嘆きのようなデス声、フリージャズのトランペットを取り入れたカオティックな音は、彼らならではのオリジナルだ。退廃感に満ちたスローテンポから突如汚物を吐き出すようにピッチが上がっている独特の展開は、当時の2ビート、2コードの曲展開こそがハードコアだった当時としては、意外性あふれるサウンドだったらしい。現在、彼らのサウンドは、グラインド・コアやパワー・バイオレンス、クラスト・コアの先駆者として語り継がれている。それほど当時は画期的なサウンドであったそうだ。このサウンドから影響を受け、あとにヘレシーやナパーム・デスといったバンドたちがさらに発展したサウンドを展開したのだ。大きなインパクトは残さなかったが、隠れた名盤であるのだ。

2015/11/06

Leeway (リーウェイ)  『Desperate Measures (デスパート・メシャース)』


Desperate MeasuresDesperate Measures
Leeway

Profile Records Inc. 1991-04-08
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91年に発表された2作目。前作に続き今作もブラジルのスラッシュメタル系レーベルマーキュリーから、全曲リマスタリングされ、8曲のボーナストラックが追加。デラックス版として再発された。

 おそらくこの作品が彼らの最高傑作ではないのか、なぜなら前作のスラッシュメタルの折衷といういい部分の踏襲しつつも新しい要素を加えているからだ。今作では、前作と比べるとスピードこそ遅くなったが、その分グルーヴ感やラップやパワーメタルなど、幅広い音楽性を取り入れている。とくに進化の跡を感じられるのが、“ソフト・ウェイ・アウト”と“2ミニット・ワーニング”と“ザ・フューチャー (エント・ワット・イット・ユーズド・トゥ・ビー) ”。ソフト・ウェイ・アウト”ではザクザクと刻む重たく金属質のギターのリフを取り入れ、“2ミニット・ワーニング”ではラップ歌いまわしを、ハードコアに取りいれた。そして“ザ・フューチャー(エント・ワット・イット・ユーズド・トゥ・ビー)”ではファンクのリズムをメタル・ギターに合わせたサウンドを展開している。どれもあとにニューヨーク・ハードコア(とくにニュースクール系のバンドで)の主流となるサウンドを、いち早く取り入れているのだ。

 もはや大幅にメタルを取り入れるとハードコアとは呼べないサウンドかもしれないが、当時ニューヨークではメタルとハードコアの両方のファンから愛されていた稀有な存在だったらしい。個人的にこの作品から、ハードコアらしさを感じることが出来るのが、金属質なギターのリフから感じられる、冷たく暗く緊迫感に満ちたシリアスな空気くらいだ。サウンドそのものはメタルだ。

 だがこの作品は、マッドボールやバイオハザードなどの後世のバンドたちに、多大な影響をあたえた作品に間違いはない。なぜなら彼らが影響を受けた金属質なリフやラップの歌いまわしは、この作品の音からのインスピレーションを色濃く感じるからだ。そういった意味ではニューヨーク・ハードコアの歴史を語る上で重要な作品といえるだろう。

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