プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2016/08/24

『SALAD DAYS:A Decade Of Punk In Washington,DC(1980-1990)』サラダ・デイズ:ア・デケイド・オブ・パンク・イン・ワシントンDC(1980-1990)

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2014年12月に上映されたワシントンDCのパンク・ハードコア・シーンに焦点を当てたドキュメンタリー映画『SALAD DAYS:A Decade Of Punk In Washington,DC(1980-1990)』(サラダ・デイズ:ア・デケイド・オブ・パンク・イン・ワシントンDC(1980-1990))。その映画が2015年にDVD化で販売。07年に上映されたドキュメンタリー映画『アメリカン・ハードコア』は、80年から86年にかけてのアメリカ全土のハードコア・シーンを、相関的に紹介した映画だった。今回紹介する映画『サラダ・デイズ:ア・デケイド・オブ・パンク・イン・ワシントンDC(1980-1990)』は、80年から90年にかけてのワシントンDCのパンク・ハードコア・シーンのみに焦点を当て、10年に起こった出来事を紹介する作品だ。トニー・レットマン著書の『ニューヨーク・ハードコア1980-1990』は、ニューヨーク・ハードコア・シーンの10年間の出来事を事細かく追った紹介した本だったが、それのワシントンDC版といえる内容だ。この2作品を比べると、ニューヨークとワシントンDCでは、別の国の出来事のように、シーンの内容が全く違うのが面白い。

本編では、イアン・マッケイとDC出身であるヘンリー・ロリンズが影響を受けたラモーンズやシド・ヴィシャスなどの初期パンク・バンドの話から始まる。そしてイアン・マッケイが初めて結成したバンド、ティーン・アイドルの話に移り、そのバンドのレコードをリリースするためディスコード・レコーズを設立した話に移る。ユース・ブリケードやヴォイド、フェイス、SOAなど、バッドブレインズに影響を受けたバンドたちの台頭により、DCシーンが活気を増していく話に移る。そしてストレートエッヂの始まり。警察介入や暴力の蔓延などによるDCシーンの倦怠期。スキンズの台頭。そして85年に起きたレボリューション・サマー(改革の夏)と呼ばれる重大な出来事。倦怠期を迎えていたDCシーンに、ライツ・オブ・スプリングやエムブレイス、ダグ・ナスティーなど新しいバンドたちの登場によって、新たなルネサンス運動を起こした。これらのバンドがのちにエモーショナル・ハードコアというジャンルで呼ばれることになる。そしてファイヤーパーティーという女性バンドや、フガジなどのバンドによって設立されたポシティヴ・フォース(正しい力の目覚め)と名付けられた新しい芸術家運動。自らの成長が目的とされ、社会変革や非暴力などを訴え、芸術や教育、慈善運動などに力を入れた活動だ。最後にフガジがニルヴァーナーに与えた影響について語り、ジョーボックスなどの新しいバンドの台頭、J・ロビンスとデイヴ・グロールがDCシーンにつて総括するところで映画は終わる。10年間に起こった出来事を、時系列に沿って、DCシーンの変遷をインタビューとライブ映像を交えて進めていく内容だ。

DCシーンの始まりのころは、どのバンドもバッド・ブレインズからの影響を抜けきれずにいた。それが85年に起きた“レボリューション・サマー”で、サウンド面でのオリジナルティーを獲得することになる。そして“ポジティブ・フォース”で、DCシーンそのものが独自サウンドを持ったバンドを次々と輩出していくようになる。

個人的には、フガジのあとにマイナー・スレットを聴いたり、そのあとにダグ・ナスティーを聴いたりしていたから、シーンのそのものの移り変わり自体、知らなかった。それが今回のDVDでDCの全容すべてを知ることができた。資料としてもものすごく基調価値のある内容なのだ。

個人的な感想をいえば、DCハードコアとは、ものすごく理想的で素晴らしいシーンだと思った。ドラッグが蔓延することもなければ、黒人や白人、アジアや男女差別のない、DCに住んでいることという以外、すべてに対して、門戸を開いた特殊なシーンだった。

そこにはまるで隣近所がすべて知り合いで、お互いに助け合った昭和時代のような、義理と人情にあふれた昔の日本の下町のような情緒を感じる。その遠因としてディスコード・レコーズのオーナーである、イアン・マッケイの性格が大きく左右しているのだろう。

このDVDでは語られていなかったが、一点疑問に思ったのが、ディスコード・レコーズがDCのバンド以外リリースしなかったところ。もちろんDC以外のバンドをリリースしていたら、これほどDCシーンは、大きく発展しなかっただろう。DC以外に門戸を開かなかったのが、すごくいい意味で作用したのは事実だ。ただイアン・マッケイにどんなポリシーがあったのか、個人的には知りたかった。そこだけが残念だった。(英語が分からなかったので、もしかしたら語っていたのかもしれないが)

なおボーナストラックに本編からカットされたインタビューと、当時のDCバンドのライブ映像が、収録されている。

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