プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2017年1月

2017/01/25

NYC Headhunters(ニューヨーク・シティー・ヘッドハンターズ) 『The Rage Of The City 7''(ザ・レイジ・オブ・ザ・シティー)』

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16年発表の2作目のEP。NYC Headhunters(ニューヨーク・シティー・ヘッドハンターズ)というバンド名だが、実際はボストン出身のバンドらしい。このバンド名の意味を勘ぐるのなら、ボストンのいい人材をニューヨークに引き抜かれるという皮肉に満ちた意味が込められているようにも思える。だが実際のところ、そのバンド名の意味は分からない。

その彼らのサウンドとは、G.B.Hのシンプルで骨太のギターサウンドをベースにしたハードコア。そこにSLAPSHOT(スラップ・ショット)などの畳みかける勢いのドラムを加えた。シンプルなUKハードコアに、ボストン・コアのエッセンスを加えたサウンドなのだ。

だからなのか、ここにはニューヨーク・ハードコアのようなギャングの匂いがするシリアスさがまったくない。あるのは激しく踊り汗をかくような熱血漢。お互いに火花を散らしあいながらも、憎しみを感じない、どこかフェアー態度で挑んでいるスポーツマンシップのような健やかさがある。男くさく荒々しいサウンドのなかに感じる熱血さや正々堂々とした態度が、このバンドの魅力といえるだろう。

ボストンといえば、突発的な進化を遂げたバンドが多いが、彼らはボストン・ハードコアの正当な路線を引き継いでいる。ボストンのなかでは稀有な存在といえるかもしれない。ともあれ熱い気持ちにさせてくれる作品だ。

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2017/01/17

『The Emo Apocalypse (ザ・エモ・アポーカレス)』

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06年にドイツから発売されたコンピレーション・アルバム。『The Emo Apocalypse (ザ・エモ・アポーカレス)』というタイトル通り、エモ・バンドばかりを収録している。エモといってもJIMMY EAT WORLD(ジミー・イート・ワールド)に代表されるようなポップエモのバンドは一つもいない。ものすごく乱暴に例えるなら、Texas Is the Reason(テキサス・イズ・リーズン)の古典的なエモーショナル・ハードコアから、Converge(コンヴァージ)のカオティック・ハードコアに進化していく過程の、そのふり幅の間にあるバンドを集めたコンピといえるだろう。

収録バンドはCease Upon The Capitol、Khere、Loma Prieta、D Amore、Her Breath On Glass、The Birds Are Spies They Report To the Trees、Kias Fansuri、June Paik、Enoch Ardon、Cagliostro、Louise Cyphre、Trainwreck、Architects、A Fine Boat That Coffin、Ten And Two、The Walls You’ve Built、Balboa、Only For The Sake Of Aching、Belle Epoque、Catena Collapse、The Critic、Manhattan Skyline、Am I Dead Yet、Petetheepiratesquid、Alegory Of The Cave、Antithesis、Towers、Funeral Diner、I Spoke、Escapado、Violent Breakfast、Monocycle、Arse Moreira、Pyramids、Suis La Lune、Kurhaus、Orbit Cinta Benjamin、A Day In Black And White、SL 27、Mr Willis Of Ohio、Van Cosel。の計42バンド。すべての収録曲は30秒前後で終わる、センシブでうるさくファストな曲だ。

このなかで有名なバンドといえば、カルフォルニアのLoma Prieta(ロラ・ピエタ)や、ボストンのHer Breath On Glass(ハー・ブレス・オン・グラス)、サンフランシスコのFuneral Diner(フューレル・ダイナー)ぐらい。あとはあまり知られていないバンドが多数を占めている。

全体の特徴をいえば、どのバンドもスクリームと暴走するスピード、荒れ狂ったノイズがある。すべての理性が消し飛ぶようなその躁状態のサウンドはありまるで、すべてを吹き飛ばす荒れ狂った巨大竜巻のようなサウンドを展開している。

どのバンドも尋常でないテンションのサウンドを展開している反面、同じようなサウンド・スタイルのバンドが多く、これといった特徴があるバンドがあまりないのが欠点だ。

そのなかでもとくに印象深いのは、ノイズギターが一切なく繊細なメロディーを高速で奏でるエスクぺリメンタルなサウンドを展開しているBelle Epoque(ベル・エポック)、無機質でテクニカルなメロディーが不快なノイズの歪に変わっていくA Day In Black And White(ア・ディ・イン・ブラック・アンド・ホワイト)。彼らはエモや激情の範疇に捉われず独特なサウンドを展開している。そして首を絞められた女性のような金切り声をあげるOrbit Cinta Benjamin(オアビット・チンタ・ベンジャミン)は、激情コアの先にあるもっと過激なサウンドを目指している。

さずがエモ/激情のコンピとだけあって、ものすごく激しいサウンドだが、どのバンドも外へ向かって闘争していくというよりも、自閉症的というか、内面世界に感情が根付いている。エモといえば腐るほどコンピがリリースされているが、この作品は意外とありそうでなかったジャンルのバンドたちを集めたコンピなのだ。

2017/01/10

Incendiary(インセンダイアリー) 『Crusade(クルセイド)』

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ニューヨークはロングアイランド出身のニュースクール系ハードコア・バンドの09年に発表されたデビュー作。廃盤になっていたデビュー作が、今回、ヴァイナル盤にて再発された。

彼らのサウンド・スタイルとは、初期SNAPCASE(スナップケース)のニュースクール・ハードコアを、シンプルに熱くアグレッシヴに解釈したスタイル。彼らもまたニューヨーク・ハードコアの伝統を受け継ぐバンドのひとつなのだ。

スナップケースからの影響が強い甲高い声のボーカルを中心に、重くメタリックなギター、Oiコーラス、性急なスピードのドラムと、ときおりグルーヴィーなミディアムテンポを加えながら、怒りがオーバードライブしていく。ボーカルの素の声で、複雑な展開はなくいたってシンプルなハードコアな分、怒りや気合がダイレクトに伝わってくる。

その彼らの特徴とはギターの音にある。金属質な重さの中に電気系統がショートした音が余韻を残す独特な音なのだ。それが彼らならではの一番の特徴だ。この金属質でずっしり重いハードコアは、現在のニュースクール・ハードコアの最先端を行くサウンドだ。

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