プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

スポンサードリンク


« 2017年9月 | トップページ | 2017年11月 »

2017年10月

2017/10/23

LIFELESS(ライフレス) 『 No Love For The World (ノー・ラブ・フォー・ザ・ワールド)』

Index

No Love for the WorldNo Love for the World
Lifeless

Fwh Distribution 2011-10-20
売り上げランキング : 1570383

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ニュージャージ出身のニュースクール系ハードコアの11年に発表されたデビュー作。彼らもまたアースクライシス以降のスローでグルーヴを重視したニュースクール・ハードコアから進化したバンドなのだ。サウンド的にはMERAUDER(メラウダー)やALL OUT WAR(オール・アウト・ウォー)をもっとヘヴィーに、金属質なリフとデスメタルの要素をさらにパワーアップさせたサウンドだ。

巨大なハンマーで叩き潰すような暴力的なリフ。苦痛のなかで生まれたうめき声や怨霊に近いボーカルの怒声。そこにあるのは圧倒的な音の迫力と憎悪や苦痛。バンド名のLIFELESS(ライフレス)とは、生気や覇気がない、死んだようなという意味。そのバンド名が示す通り、彼らの歌っている内容は、生きることへの苦しみや憎しみや絶望など。おおよその自己破壊的な要素が詰まっている。

アティテュードこそ真逆の位置にいたEARTH CRISIS(アース・クライシス)とメラウダーだが、外の世界に対して闘争的だった部分で共通していた。その2バンドと比べると、彼らのサウンドはあきらかに内省に根付いている。ニュースクール・ハードコアのなかでも異質なアティテュードを持った存在だったといえるだろう。その憎悪と苦痛に彩られた迫力あるサウンドは、彼らにしかない魅力が詰まっている。

2017/10/11

Free (フリー) 『Ex Tenebris (EX・テネバリス)』

Ex Tenebris [7 inch Analog]Ex Tenebris [7 inch Analog]
Free

Warner Proper 2017-06-15
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

マサチューセッツ州はボストン出身のハードコアバンドのデビューEP。まさにハードコアのなかのハードコアといえるサウンドで、ハードコア・パンクよりのアグレッシヴで攻撃的なサウンドが魅力のバンドだ。

ほとんどが解散したHave Heart(ハヴ・ハート)からの移行組で、在籍メンバーの経歴はGive(ギヴ), Mindset(マインドセット), NYC Headhunters(NYCヘッドハンターズ), Sweet Jesus(スウィート・ジーザス)など、東海岸を代表するハードコア・シーンの第一線で活躍。とくにHave Heartは、ストレートエッヂで、自分が正しいと思ったことを行動しろと、自らのパンク思想をライブに来る観客に向かって訴え続けている熱いバンドだった。FreeもHave Heartのアティテュードを踏襲し、自分たちができる正しい行動とは?とか、無駄と分かっていてもそれでも立ち向かっていく姿勢など、意識改革や問題提起を投げかけている。

パーカー姿に怒声のボーカル、シンガロング・スタイルからは、同郷のBANE(ベイン)からの影響を多大に感じる。サウンドは前身のバンドHave Heartのテクニカルな部分やクリーンな録音を徹底的に排除し、勢いと怒りという衝動で、体力と精神力のすべてを振り絞り突き抜けていく。Have Heartをより破壊的によりノイジーにパワーアップしたサウンドなのだ。

破壊音のようにブンブンうねるベース。土石流のような勢いで迫ってくるギター。天を衝く怒りのようなボーカル。体中の気合を集め全身全霊を注ぐ攻撃的なサウンドからは、立ち向かっていく気迫と勇気に満ちている。弱さは微塵も感じない熱いサウンド。ゆるぎない信念と熱い魂を持ったハードコアバンドなのだ。

2017/10/02

Brun (バーン)  『 Do or Die (ドゥ・オア・ダイ)』

Do Or DieDo Or Die
Burn

Deathwish Inc 2017-09-07
売り上げランキング : 25615

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


89年から活動し、ニューヨーク・ニュースクール・ハードコア・シーンを代表するバンドのひとつでもあるBrun(バーン)の初のフルアルバム。28年の活動のなかで、いままで4枚のEPを発表しているが、フルアルバムは初めてである。昨年発表された『From The Ashes(フロム・ザ・アッシュズ)』で、手ごたえと演りたい音楽性が固まったのか、1年という短いスパンで今作は発表されている。

前作『From The Ashes(フロム・ザ・アッシュズ)』は、ピップホップなリズムとボーカルの韻に、Rage Against the Machine(レイジアゲインストザ・マシーン)のような扇情的なギターが、怒りや苛立ちを刻んでいくようなサウンドだった。今作でもそのサウンド路線は踏襲され、さらに突き詰めている。

The Dillinger Escape Plan (デリンジャー・エスケープ・プラン)のような目まぐるしく変わる展開に、HELMET(ヘルメット)のトリッキーで変則的なリズムのギターのリフ、オールドスクールなスピーディーなハードコアに呪術的なコーラスを取り入れた意外性、スローテンポから突如加速していくドラム、エフェクターの歪みを利かせたギターなどの要素を、溶鉱炉にぶち込み、金属質に固く重く鋳造した。怒りをたたきつけるようなヒップホップのリズムと、多彩なギターアレンジのリフが印象的なサウンドだが、そこには不安や苛立ち怒りといった感情が漂っている。まるでニューヨークの路地裏のスラムな想起させる薄汚れた匂いだ。

90年代の忘れ去られた古きよきものを現在によみがえらせブラッシュアップしたサウンドで、ハードコア特有のテンションの高さやストレスを発散させるような爽快感はない。だがグルーヴとニューヨークの危険な匂いと雑多性という空気感を閉じ込めたサウンドで、アティテュードはまぎれもなくハードコアだ。

« 2017年9月 | トップページ | 2017年11月 »

スポンサードリンク


無料ブログはココログ

スポンサードリンク