プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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2018年5月

2018/05/30

The Lion's Cage(ザ・ライオンズ・ケージ)  『Raw 2017(ロウ2017)』

Thelionscageraw2017cover


ニューヨークはブルックリン出身のハードコア・バンドのデビュー作。日本語でライオンの監獄と名付けられたバンド名からは、実際のところは分からないが、なにやらスラム街の閉ざされた監獄という隠語のように感じる。

彼らのアティテュードとは、MADBALL(マッド・ボール)やSheer terror(シアー・テイラー)やMERAUDER (メラウダー)などの流れをくむギャングの要素が強いハードコア。歌詞には“綱渡り”や、“運の悪さ”、“プレッシャー”など、ギャングの世界を彷彿とさせる死と隣り合わせな緊迫感に満ちた言葉が並ぶ。

緊迫感に満ちた静けさから濁流のような激しさに変わる展開からはマッドボールの影響を色濃く感じ、そこに狂ったような激しスピードと、躁病的なテンションのボーカルを加えた。

レコーディング状態が悪いためか、若干音の悪さを感じる部分が残念ではあるが、だがメタルからの影響を感じない攻撃的なハードコア・スピリットだけで突き抜けていく初期衝動には、アグレッシヴさがあるし、不良の匂いがする。まさにやさぐれたハードコアなのだ。今後が期待できる作品だ。

 こちらからダウンロード可能

2018/05/19

The Fight (ザ・ファイト) 『U.H.T.R.N.H.T.B! Promo』

Cover

ニューヨークはロングアイランド出身のハードコア・バンドの2作目となるEP。最近のニューヨークでは珍しいスタイルのバンドで、ギャングのような不良性が多いニューヨーク・ハードコアのなか、知的でユニークで異端な存在感を放っている。

そのサウンド、80年代のUKハードコアから影響に、SHEER TERROR(シアー・テラー)のニューヨークの伝統を合わせたサウンドを展開。ノイジーなギターからは、Chaos UK (カオスUK)やDischarge (ディスチャージ)からの影響を感じ、2コードでハイスピードにゴリゴリ押していくサウンドと地獄の怨霊のようなボーカルからはシアー・テラーの影響を色濃く感じる。

ぼくがユニークに感じる理由は、そのアティテュードにある。前作ではトランプ政権への批判や反キリスト、反体制的な内容が占められていた。まさにREAGAN YOUTH(レーガン・ユース)以来の皮肉と怒りに満ちたアナーコパンクだった。

今作では環境汚染と健康被害にスポットを当てている。スモッグなどの大気汚染が病を侵し、入院すれば高額医療費を取る。まさにジョージ・オーウェルの小説のような、金持ちや支配者層のためだけに、庶民が飼いならされ、搾取されことへの怒りがそこにはある。UK初期ハードコアのようにシンプルでなつかしさが際立つ作品だ。

こちらからダウンロード可能

2018/05/11

Trail of Lies(トレイル・オブ・ライズ) 『WAR(ウォー)』

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TRAIL OF LIES

RETRIBUTE RECORDS 2018-03-22
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ニューヨークはシラキューズ出身のニュースクール・ハードコアの1stアルバム。シラキューズといえばEarth Crisis(アース・クライシス)やAnother Victim (アナザー・ヴィクティム)などのニュースクール系ヴィーガン・ハードコア・バンドを輩出した土地として有名だ。彼らもその伝統を受け継ぎ、ストレートエッジにして、巨大なハンマーを振り下ろすような金属質で重厚なギターのリフを中心としたスローでグルーヴィーなサウンドを踏襲している。サウンド的にもアティテュードもシラキューズの伝統を受け継ぎ、自分たち流にアレンジしたバンドなのだ。

とくにストレートエッジ思想をさらにストイックな求道者のように突き詰めている。この作品で語られているのは、力不足の克服や、欲望に打ち勝つ自分との闘い、困難を乗り越えた勝利のための戦いなどについて。

心の奥底からにじみ出る気合の入ったボーカルの怒声からは、精神統一し、戦いに挑む空手家のような、落ち着きと闘争心を感じ取ることができる。変化の力を促す自己啓発や、高い目標設定をしあえて困難な状況を作り乗り越えようとする高い意識。アルバムタイトルの『WAR』とは自分の権利を獲得する戦いだけでなく、弱い自分の内面との闘いでもあるのだ。

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