プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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E

2017/01/17

『The Emo Apocalypse (ザ・エモ・アポーカレス)』

Index2

06年にドイツから発売されたコンピレーション・アルバム。『The Emo Apocalypse (ザ・エモ・アポーカレス)』というタイトル通り、エモ・バンドばかりを収録している。エモといってもJIMMY EAT WORLD(ジミー・イート・ワールド)に代表されるようなポップエモのバンドは一つもいない。ものすごく乱暴に例えるなら、Texas Is the Reason(テキサス・イズ・リーズン)の古典的なエモーショナル・ハードコアから、Converge(コンヴァージ)のカオティック・ハードコアに進化していく過程の、そのふり幅の間にあるバンドを集めたコンピといえるだろう。

収録バンドはCease Upon The Capitol、Khere、Loma Prieta、D Amore、Her Breath On Glass、The Birds Are Spies They Report To the Trees、Kias Fansuri、June Paik、Enoch Ardon、Cagliostro、Louise Cyphre、Trainwreck、Architects、A Fine Boat That Coffin、Ten And Two、The Walls You’ve Built、Balboa、Only For The Sake Of Aching、Belle Epoque、Catena Collapse、The Critic、Manhattan Skyline、Am I Dead Yet、Petetheepiratesquid、Alegory Of The Cave、Antithesis、Towers、Funeral Diner、I Spoke、Escapado、Violent Breakfast、Monocycle、Arse Moreira、Pyramids、Suis La Lune、Kurhaus、Orbit Cinta Benjamin、A Day In Black And White、SL 27、Mr Willis Of Ohio、Van Cosel。の計42バンド。すべての収録曲は30秒前後で終わる、センシブでうるさくファストな曲だ。

このなかで有名なバンドといえば、カルフォルニアのLoma Prieta(ロラ・ピエタ)や、ボストンのHer Breath On Glass(ハー・ブレス・オン・グラス)、サンフランシスコのFuneral Diner(フューレル・ダイナー)ぐらい。あとはあまり知られていないバンドが多数を占めている。

全体の特徴をいえば、どのバンドもスクリームと暴走するスピード、荒れ狂ったノイズがある。すべての理性が消し飛ぶようなその躁状態のサウンドはありまるで、すべてを吹き飛ばす荒れ狂った巨大竜巻のようなサウンドを展開している。

どのバンドも尋常でないテンションのサウンドを展開している反面、同じようなサウンド・スタイルのバンドが多く、これといった特徴があるバンドがあまりないのが欠点だ。

そのなかでもとくに印象深いのは、ノイズギターが一切なく繊細なメロディーを高速で奏でるエスクぺリメンタルなサウンドを展開しているBelle Epoque(ベル・エポック)、無機質でテクニカルなメロディーが不快なノイズの歪に変わっていくA Day In Black And White(ア・ディ・イン・ブラック・アンド・ホワイト)。彼らはエモや激情の範疇に捉われず独特なサウンドを展開している。そして首を絞められた女性のような金切り声をあげるOrbit Cinta Benjamin(オアビット・チンタ・ベンジャミン)は、激情コアの先にあるもっと過激なサウンドを目指している。

さずがエモ/激情のコンピとだけあって、ものすごく激しいサウンドだが、どのバンドも外へ向かって闘争していくというよりも、自閉症的というか、内面世界に感情が根付いている。エモといえば腐るほどコンピがリリースされているが、この作品は意外とありそうでなかったジャンルのバンドたちを集めたコンピなのだ。

2012/01/07

Every Avenue 『Shh. Just Go With It』

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08年に発表されたミシガン州出身のメロディック・パンクバンドのデビュー作。典型的なメロディックパンクサウンドだが、ベースになっているのは80年代のアメリカン・ポップス。ところどころにゼブラ・ヘッドの要素を感じる。歌詞は女の子と遊んだ楽しかった日々や別れなど、典型的な青春パンク。海で女の子とビーチバレーでもして戯れているような楽しくゴージャスなサウンド。そこには悲しみや怒りといったネガティヴな感情が一切ない。一貫して明るく楽しい。そしてポップで聴きやすい。明るく楽しいサウンドが好きな人にはお勧めの作品。

2011/03/28

ENTER SHIKARI 『COMMON DREADS』

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09年に発表された2nd。前作と比べると格段に進化遂げ、ものすごくいい作品にしあがっている。もはやユーロビートなどの大衆音楽からの影響はない。2ビートのハードコアからノイズ、賛美歌のコーラス、コントロールを失い暴走したシンセ、扇情的に煽るデジタル音など、いろいろな要素を取り入れている。

べつにいろいろな要素取り入れればいいという訳ではない。だが彼らの素晴らしいのは、すべてがラディカルで攻撃的で荒々しいところにある。前作で売れたのにも関わらず、あえて大衆受けしないアンダーグラウンドミュージックを追求している。

もはやメタル+ユーロビートとは言わせないオリジナルティーのあるサウンドで、過激に暴走していく攻撃性がすばらしい。

2011/03/25

ENTER SHIKARI  『Take To The Skies』

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イギリスはロンドン出身のデス・メタルにダンスミュージックを合わせたヘヴィーバンドの07年に発表されたデビュー作。

ヘヴィネスにデジタル・サウンドを取り入れたバンドといえば、25年以上前にミニストリーやビッグ・ブラックなどがいるし、けっして目新しいサウンドとはいえない。

だが小室音楽の代表格であるTRFやジュリアナ東京などのディスコミュージックと、デスメタルを合わせたバンドは初めてではないか。20年以上前は、都会的なスノッブなものに対して、パンク、メタルの両シーンとも偏見と差別があった。だから大衆受けしている流行りものと、アンダーグラウンドミュージックを掛け合わせるといった発想自体ありえなかった。

なんの偏見や時代背景を知らないいまどきの若者だから、当時メインストリームであったディスコとアンダーグランドのデス・メタルを融合させることができたのかもしれない。そう時代によってパンク的モラルや価値観は転換する。その具体例を示した典型的なバンドといえるだろう。

シンセの音以外は肉体的なロックサウンドが中心。激しいサウンドだが、けっして怨念に満ちていたり、攻撃的ではない。ディスコのように激しく踊ってすることが目的とされている。そのためにデス声を加味し、迫力を増長させた、といえるだろう。音楽に対して深刻さを求めない人にはうってつけの作品だ。

2009/01/30

EYES SET TO KILL/アイズ・セット・トゥー・キル『リーチ』

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 暗く美しく透明で、悲しみと絶望に彩られた世界。これもまたスクリーモの新しい形。  2作目となる今作は、攻撃的なメタルコアに、繊細で神経質なメロディーが絡むスタイルに変わりはない。変わったところといえば、女性ボーカルが代わり、メタルの要素も少し薄れたところか。脆さと哀しみを含んだ透明な歌声の女性と、悲痛な叫び声の男性がシンガロングするボーカルには、まるで自分の周りにガラスの壁を一枚貼られたような孤独感が漂っている。歌詞も届かぬ想いや、願いが叶いそうで叶わないといった内容が多く、希望を打ち砕かれた絶望が漂っている。まるでスティーヴン・キングの小説のような、神秘的な霊の世界と、隣人の恐怖を描いた世界観のようだ。アメリカンポップからの影響が強く、感情むき出しのスクリーモはこのバンドだけ。

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