プロフィール

  •    宮本 一高         (みやもと かずたか)
                                        音楽ライターを目指しているものです。EAT MAGAZINEやDOLLなどで執筆をしておりました。おもにエモ、ハードコア、スクリーモ、メロディックパンクを中心に取り上げております。自分が感動した音楽を、積極的に紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 

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U

2015/02/10

Unbroken (アンブロークン)  『It's Getting Tougher to Say the Right Things (イッツ・ゲッティング・タファー・トゥ・セイ・ザ・ライト・シングス)』

It's Getting Tougher to Say ThIt's Getting Tougher to Say Th
Unbroken

Indecision Records 2000-03-24
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 00年に発表された編集盤。その内訳は、92年から95年の間にリリースされたEP、コンピ収録曲などを、一枚にまとめた内容だ。1と2は、95年に発表されたEP、『Circa '77』から。3と4は94年発売の『-And/Fall on Proverb 7』から。5はジョイディヴィジョンのカバーで、94年に発表された『Abhinanda』とのスプリットから。6と7は93年に発表された『グラウンドワーク』とのスプリットから。8は、93年に発売されたコンピレーション『Lacking Mindset Compilation』に提供した曲。9と10は92年に発表したEP『ユー・ウォント・ビー・バック7』から。11は92年に発売されたコンピレーション『イッツ・フォー・ライフ』に提供した曲。いままで発表した全曲が収録されている。
 
 アルバムは年代をさかのぼるように曲順が並んでいる。3年という短期間しか活動しなかったせいか、どの曲も古さや演奏の未熟さを感じさせない。6,7,8は、『ライフ,ラブ,リグレット.』に収録された曲で、そのほかはアルバム未収録曲。とくにそのなかでも『ライフ,ラブ,リグレット.』以降の実験的な内容の曲を聴いていると、このバンドが存続して3枚目を発表していたのなら、さらに違った未来になっていただろう。とくにそう感じることができるのは3曲目の“アンド”で、ここでは電気系統がショートしたようなノイズギターが、静寂な空間をブンブンうねるベース・サウンドに入れ替わっていく展開だ。クイックサンドの『マニック・コンプレッション』が、この曲からアイデアを得て、さらに発展させたサウンドのアルバムを作ったことが容易に理解できる。そのほかにも2曲目の“クラッシュド・オン・ユー”は、静と動がアップダウンする展開で、当時のハードコア界としては最先端を行くサウンドだった。このEPたちを聴いて、ヒントを得て、その曲の先にある方向性を追及し、自分たちの個性を確立したバンドもたくさんいたのだ。後世に多大な影響をあたえた曲たちといえるだろう。前2作と同じくらいEPを集めたこのアルバムも、重要な作品なのだ。

 なお11曲目の“アンハード”の終わりにシークレット・トラックが4曲収録されている。


2015/02/07

Unbroken (アンブロークン)  『Life. Love. Regret. (ライフ,ラブ,リグレット.)』

Life Love RegretLife Love Regret
Unbroken

New Age Records
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 94年に発表された2作目。彼らの最高傑作。08年にはオルタナティヴ・プレス誌が“パンクのスタイルを作った23のバンド”のひとつに挙げ、アメリカのアマゾン・サイトでは、ハードコアのトップ5に入る最高の作品というレビューもあるほど、アメリカではかなり評価の高い作品なのだ。

 前作はヘルメットの影響が抜けきれなかったが、今作では確実にオリジナルティーあふれるサウンドを展開している。スローテンポでグルーヴィーなハードコア路線をベースにしつつも、最先端の音楽を貪欲に取り入れ、さらにパワーアップした作品に仕上がっている。“D4”では、エコー&バニーメンの陰りのあるギターを取り入れ、ヘヴィーなギターのリフとメロディーの調和の取れたサウンドを展開し、“イン・ザ・ネイム・プログレッション”では急にスピードが上がる展開で、“カーテン”では、ソニック・ユースのような5分を超えるノイズ・ギターのソロを曲の最後の部分に加えている。ニュースクールなハードコアなのだが、そこにいろいろな要素を加えたことによって、バラエティー豊かなサウンドを展開しているのだ。

 そして激しく荒々しいサウンドのなかにどこか冷静さを感じることができるのは、死に対して冷静に分析した歌詞。“レクーズ”では、<うつ病の恐怖の影を通して、私を(闇の世界に)引っ張る~私はうつ病の恐怖そのものを恐れるより、孤独を恐れる>という内容で、そこには冷静さのなかに恐怖と激情が入り混じった感情があり、内省的でシリアスな雰囲気を作り出しているのだ。

 当時最先端だったサウンドと、緊迫感に満ちた雰囲気が、この作品が最高傑作と呼ばれる理由なのだ。たしかにあとにニュースクール・ハードコアの代表格となるアースクライシスやマッドボールと比べると、アンブロークン自体が過小評価されているのも事実であろう。ニュースクール・ハードコアの先駆者的サウンドを展開していたのにもかかわらずだ。なおこの作品を最後にバンドは解散。そして3年後にギターのエリック・アレンは自殺したそうだ。

 現在、2014年の11月28日に、ブラック・フライデー/レコード・ストアー・ディに1000枚限定で、LP盤が発売された。


2015/02/04

Unbroken (アンブロークン)  『Ritual (リチュアル)』

RitualRitual
Unbroken

New Age 1997-05-01
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 サンディエゴ出身のニュースクール・ハードコア・バンドの93年に発表したデビュー作。メンバーは、のちにロカスト、スイング・キッズ、キル・ホリディなどで活躍する精鋭たちで構成されている。

 そのサウンドは、ヘルメットからの影響が強いスローテンポのグルーヴィーなハードコア。ザクザク刻む重く都会的なクールさと不良の匂いがするギターのリフ。怒りを刻むように叫ぶ迫力ある怒声ボーカル。男臭いOiコーラス。息詰まるような緊迫感と不良の匂いがする気合の入ったサウンドなのだ。

 彼らの功績はハードコアのスピード感を落としたところにあるだろう。彼ら以前のバンドは、2ビートでスピーディーであった。たしかにバイオハザードなどのスピードを落としたハードコア・バンドもいた。だがバイオハザードの場合、ツーバスやギターソロなどもあり、旧態依然の影響が強く、けっして最先端のサウンドではなかった。そんなバイオハザードと比べると、アンブロークンの場合、当時の最先端をいったサウンドだったのだ。彼ら以降のアース・クライシスやマッド・ボールなどのバンドはスピードを落とし、グルーヴに重点を置き、ニュースクール・ハードコアと呼ばれるようになった。アース・クライシスやマッド・ボールなどより、1,2年早かった彼らはまさにニュースクール・ハードコアの先駆者的な存在なのだ。

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